
はじめに ― 「思った通りに仕上がらない」の原因は“タイプ”の違い
デザインを依頼したことがある方なら、一度はこんな経験があるのではないでしょうか?
- 「依頼内容はちゃんと伝えたのに、仕上がりが想像と違った」
- 「こちらの意見をあまり反映してくれない」
- 「やたら時間がかかってしまった」
- 「完成したけど、なんだかしっくりこない」
実はこれ、依頼側とデザイナー側の思考タイプの違いが原因になっていることが多いんです。
デザイナーと一口に言っても、得意な進め方や重視するポイントは人によって大きく異なります。
このタイプの違いを理解せずに依頼すると、認識のズレが積み重なり、無駄な修正や不満の原因になります。
そこでこの記事では、デザイナーを大きく4タイプに分類し、それぞれに**「成果を引き出す依頼のコツ」**をお伝えします。
依頼者目線での実践的な内容なので、すぐに仕事に活かせます。
デザインを外注するとき、依頼者の満足度を大きく左右するのは「デザイナーの実力」だけではありません。
むしろ重要なのは相性とコミュニケーションの質です。
同じ案件でも、
- 説明が少なくてもイメージ通りに仕上げてくれる人
- 指示が明確でないと迷走してしまう人
- 企画段階から意見を出してくれる人
など、デザイナーのタイプはさまざまです。
この記事では、デザイナーを4つのパターンに分類し、それぞれの特徴と付き合い方を解説します。
さらに、仕事をスムーズに進めるためのコツや、役立つサービスも紹介します。
デザイナーの4タイプ分類(依頼者目線)
今回はわかりやすさを重視して、以下のように4タイプに名称をアレンジしました。
※元の名称は参考元をヒントにしていますが、依頼者向けにわかりやすく言い換えています。
- ビジョン共感型(理想実現タイプ)
- 成果ドリブン型(成果追求タイプ)
- 協働クリエイティブ型(共同作業タイプ)
- タスク遂行型(実務型)
この4タイプを知ることで、「この人はどう動くのが得意なのか?」が見えてきます。
では、それぞれの特徴と依頼のコツを詳しく見ていきましょう。
ビジョン共感型(理想実現タイプ)
特徴
- あなたの想いやブランドの世界観に強く共感してくれる
- 「らしさ」や「哲学」を形にするのが得意
- 細部までこだわる分、スピードより完成度重視
依頼のコツ
- 価値観や背景を丁寧に共有する
単なる要件ではなく、ブランドの歴史や理念もセットで伝えると力を発揮します。 - 完成イメージの方向性は広く、抽象的でもOK
細部は任せ、方向性だけ共有することで、独自の解釈が活きます。 - 修正依頼は“理由”を添える
「ここをこうして」だけでなく、「なぜそうしたいか」を伝えると的確な改善が返ってきます。
注意点
- こだわりが強い分、修正の回数が増えがち
- 納期短縮には不向き
おすすめ書籍リンク例
『けっきょく、よはく。』
余白や間を活かすデザイン哲学を理解できる本。
成果ドリブン型(成果追求タイプ)
特徴
- 明確なKPIやゴールに向けてデザインを最適化
- 効果測定や改善提案も積極的
- 数字で語れるデザイナー
依頼のコツ
- 成果指標を明確にする
例:「クリック率を10%上げたい」「問い合わせ数を2倍にしたい」など。 - 比較データや現状数値を共有する
改善方向が明確になり、提案が具体的になります。 - 余計な指示は削る
成果に関係ない細部にこだわりすぎると、本来のパフォーマンスが落ちます。
注意点
- デザインの美しさより機能性を優先する傾向あり
- テイストがシンプル寄りになりやすい
おすすめ書籍リンク例
『プレゼン資料作成の黄金ルール』
成果につながる資料構成とデザインの黄金比が学べる。
協働クリエイティブ型(共同作業タイプ)
特徴
- 依頼者と一緒にアイデアを膨らませながら進める
- ワークショップやブレストが得意
- 双方向のやりとりで質が上がる
依頼のコツ
- 打ち合わせ時間をしっかり確保
対話の中でアイデアが出るため、コミュニケーション量が重要。 - 仮案を歓迎する姿勢を見せる
最初から完璧を求めず、アイデアを磨く過程を楽しむ。 - 自分の意見も積極的に出す
受け身だと相手のポテンシャルを引き出せません。
注意点
- 話し合いが長引くとスケジュールが押す
- 意見がぶつかる場合もある
おすすめ書籍リンク例
『伝わるデザインの基本』
誰と作ってもブレないデザイン原則を理解できる。
タスク遂行型(実務型)
特徴
- 指示通りに正確・迅速に作業
- 修正や流し込み作業も得意
- マニュアル作業に強い
依頼のコツ
- 指示は明確かつ具体的に
色コード、フォントサイズ、画像の位置などを数値で指定。 - 優先順位を伝える
複数タスクがある場合、重要度順に。 - 修正指示はまとめて
何度も小出しにすると効率が落ちます。
注意点
- 自発的な提案は少なめ
- 方向性の相談には不向き
おすすめ書籍リンク例
『ほんとに、フォント。』
作業効率とクオリティを両立するためのフォント知識が得られる。
タイプ別まとめ表
タイプ名 | 得意分野 | 依頼のコツ | 向いている案件 |
---|---|---|---|
ビジョン共感型 | ブランド構築、世界観重視 | 想いや背景を丁寧に伝える | ブランドロゴ、キャンペーンビジュアル |
成果ドリブン型 | 数値改善、CV向上 | KPIを明確にする | LP、広告バナー |
協働クリエイティブ型 | アイデア創出、共創 | 対話とブレスト重視 | 新規企画、イベントデザイン |
タスク遂行型 | 正確・迅速な実務 | 指示を細かく具体的に | 大量修正、流し込み作業 |
まとめ ― タイプを知れば依頼はもっとスムーズに
デザイナーのタイプは千差万別ですが、
今回紹介した4タイプを押さえるだけでも、依頼の精度と完成物の質は格段に向上します。
さらに、タイプ別の依頼のコツを意識しながら進めれば、
修正回数は減り、スケジュールも守られ、双方が満足する結果になります。
書籍で学びながら、実際に依頼現場で試すことが、最短でスキルを伸ばす方法です。
記事内で紹介した書籍リンクを活用し、次回の依頼から早速試してみてください。